自分の性別がわからないのは異常じゃない|迷っているあなたへ
最終更新日: 2026年7月15日
「自分は本当に、男(女)なんだろうか」
「みんなは迷わないのに、どうして自分だけわからないんだろう」
「早く決めなきゃいけない気がして、なんだか焦ってしまう」
「自分の性別がわからない」——そう感じているのは、あなただけではありません。そして、それは異常なことでも、急いで答えを出さなければいけないことでもありません。性のあり方は人によってさまざまで、はっきりしないまま、迷ったままの時期があってもおかしくないと、公的な情報でも伝えられています(浜松市)。
このページでは、「わからない・迷っている」という気持ちそのものをどう受け止めればいいか、思春期に性別の感じ方が揺らぐのはなぜか、焦らず自分を知っていくヒント、そして一人で抱えこまずに話せる場所を、いっしょに整理していきます。性別のことだけでなく、学校に行くのがつらい・心が重いといった気持ちも重なっているなら、学校に行きたくないと感じたときの記事もあわせて読んでみてください。
今すぐ「自分はこうだ」と決められなくても、何も問題ありません。気になるところだけ、ゆっくり読んでください。
目次
「自分の性別がわからない」と感じるのは異常じゃない
「自分の性別がわからない」と検索するまでに、たくさん一人で考えてきたのだと思います。まず知ってほしいのは、性別の感じ方がはっきりしない・迷っているのは、異常でも、めずらしいことでもないということです。性のあり方は「男」「女」のどちらかにきれいに分かれるものではなく、人によってさまざまで、虹のようにグラデーションになっているとされています(浜松市、八千代市)。
からだの性とこころの性が一致するのが「当たり前」というわけでもありません。だから、自分の感じ方が周りと違うように思えても、「自分はおかしい」と責めなくて大丈夫です。「わからない」というのは、まだ自分のことを知っている途中だ、というだけのことです。
「わからない・迷っている」のもひとつの在り方
性別や、好きになる相手のことが「はっきりしない」「わからない」「気持ちが揺れ動く」、そんな状態はクエスチョニング(自分の性のあり方や、好きになる相手がまだはっきりしない・迷っている状態)と呼ばれ、性のあり方のひとつとして公的にも位置づけられています(日本思春期学会)。「まだ決まっていない・探している途中」というのは、ちゃんとした一つの在り方であって、「中途半端」でも「逃げ」でもありません。
一方で、「これって自分のことなのかな…」と、かえってわからなくなることもあるかもしれません。それでも大丈夫です。ここで大切なのは、自分にラベルを当てはめることではなく、「わからないまま、ここにいていい」と自分を許してあげることです。いろいろな性のあり方の呼び方をもう少し知りたくなったら、男女の枠に当てはまらない性のあり方をまとめた記事ものぞいてみてください。
「クエスチョニング」という言葉が自分に当てはまるかどうかも、無理に確かめなくて大丈夫です。大切なのは、ぴったりの名前を見つけることではなく、わからないままの自分が安心していられることです。
思春期に性別の感じ方が揺らぐのは自然なこと
思春期は、心も体も大きく変化する時期です。そのなかで、「自分は何者なんだろう」と感じたり、性別の感じ方が揺れたりするのは、特別なことではありません。性別に対する違和感は、「男らしさ・女らしさ」という役割への違和感だったり、周りに合わせなきゃという同調圧力への違和感だったり、体の変化への戸惑いだったりと、人によって本当にさまざまです(日本思春期学会)。多様な性については、性教育の資料でも取り上げられるようになっています(日本産婦人科医会)。
だから、いま感じている揺らぎや不安を、「自分が不安定だからだ」と責めなくて大丈夫です。「人と違ってもいい」と思える情報に前もって出会えていれば、必要以上に苦しまずにすむこともあります。あなたが感じている戸惑いは、あなたが自分のことを大切に考えている証拠でもあります。
性別を今すぐ決めなくていい・焦らなくていい理由
SNSや動画では、「自分はこういう人間だ」とはっきり言葉にしている人がたくさん目に入ります。それを見て、「自分も早く答えを出さなきゃ」と焦ってしまうかもしれません。でも、性別や自分の気持ちは、時間をかけて少しずつわかっていくものです。今日や明日に結論を出す必要はありません。
中学生のころに感じていたことと、高校生になってから感じることが、変わっていってもかまいません。「一度こうだと決めたら、ずっとそうでいなきゃいけない」というルールもありません。焦って無理に一つのラベルに当てはめると、かえって苦しくなることもあります。「まだわからない」と言える時間も、あなたにとって大切な時間です。
わからないまま学校生活をどう過ごすか
制服、トイレ、「男子は」「女子は」と分けられる場面、名簿や呼ばれ方など、学校には性別を意識させられる場面がたくさんあります。気持ちがはっきりしないままだと、そのたびに小さなしんどさを感じることもあるでしょう。国(文部科学省)も、性のことで悩む子どもへの学校での配慮や支援を、本人の気持ちを尊重しながら進めるよう求めています(文部科学省)。
無理にどちらかを選んで演じる必要はありません。今は「やり過ごす」だけでも十分です。たとえば、つらい場面を一つだけ信頼できる人に話しておく、制服や髪型など自分で選べるところだけ心地よくする、といった小さな工夫から始められます。制服やトイレなど、学校生活で感じる困りごとについては、性のあり方と学校での過ごし方にも触れた記事も参考になります。
「自分がどうしたいか」を焦らず知っていくために
「正しい答え」を探すよりも、「自分は何をしているときがラクか・心地よいか」に目を向けると、気持ちが整理されていくことがあります。日記やスマホのメモに、その日感じたことを書きとめる。信頼できる人に、少しだけ話してみる。同じような気持ちの人の体験を読んでみるのもいいでしょう。どれも、焦らずに自分を知っていくためのやり方です。
焦らないための4つの目安
- 今すぐ「自分はこうだ」と決めなくていい
- 気持ちが変わっても、揺れてもいい
- 誰かに合わせて答えを出さなくていい
- わからないままの自分を、否定しなくていい
もし気持ちの整理が進んで、体のことや専門的なサポートを考えたくなったときは、性別のことを専門の窓口に相談する方法をまとめた記事もあります。ただ、今はまだ「わからない」ままで、まったくかまいません。
性別のことを一人で抱えこまず、話してみる
「自分の性別がわからない」という気持ちは、一人で抱えていると、だんだん「自分だけがおかしいのかも」と大きくふくらんでしまうことがあります。声に出して話すだけで、少し軽くなることもあります。話す相手は、一人に決めなくて大丈夫です。
学校のスクールカウンセラーや養護教諭(保健室の先生)は、こうした相談を受け止めてくれる身近な存在です。性のことを専門に相談できる公的な電話やSNSの窓口、同じ気持ちの10代が集まれる場もあります。一度話してみて「合わないな」と感じたら、別の窓口や別の人を試してかまいません。うまく話せなくても、途中でやめても、それであなたが責められることはありません。
自分の性別がわからないときのよくある気持ち
Q. 早く性別を決めなきゃいけないの?
いいえ、急いで決める必要はありません。性別や自分の気持ちは、時間をかけてわかっていくものです。「まだわからない」と言える時間も大切で、途中で気持ちが変わってもかまいません。焦らなくて大丈夫です。
Q. 親に言ったほうがいいですか?
無理に今すぐ伝えなくて大丈夫です。話したいと思えたときに、話せる相手から少しずつで十分です。親に言いにくいときは、学校のスクールカウンセラーや養護教諭、匿名で使える公的な相談窓口など、ほかにも話せる場所があります。誰に話すか、いつ話すかは、あなたが決めていいことです。
Q. 好きになる人のことを考えると、よけいにわからなくなります。
性別(自分をどう感じるか)と、好きになる相手(性的指向)は別のことですが、思春期にはどちらも揺れやすく、重なって混乱するのは自然なことです。一度に整理しようとせず、「今はわからない」とそのままにしておいて大丈夫です。考える順番も、あなたのペースでかまいません。
Q. 自分の子どもが悩んでいるようです。どう接したらいい?
答えを急がせたり、「気のせい」と打ち消したりせず、「話してくれてありがとう」とそのまま受け止めてあげてください。本人の気持ちを尊重し、急がないことが何よりの支えになります。家庭だけで抱えこまず、スクールカウンセラーなどの相談先を一緒に探すこともできます。
あなたは急がなくていい|わからないままで大丈夫
「自分の性別がわからない」と感じるのは、異常なことでも、急いで答えを出すことでもありません。性別の感じ方は人それぞれで、迷っている時間も、揺れている気持ちも、あなたが自分を大切に考えているからこそのものです。わからないままのあなたで、何も問題ありません。
それでも、一人で抱えていると気持ちが重くなってしまうときは、誰かに話してみてください。その入り口の一つとして、ユースクリニック Produced byペアライフのカウンセリングを使うという選択肢もあります。10代〜20歳が、1回100円・20分で、性別のことや心のもやもやを話せます。ニックネームで予約できて、保険証もいりません。親や学校に連絡することもありません。「答えを出すため」ではなく、「ただ気持ちを話す」ために来て大丈夫です。
ユースクリニックは、気持ちを話したり整理したりするためのカウンセリングの窓口です。体のことや専門的なサポートが必要なときは、医療機関にも相談してください。
この記事のポイント
- 「自分の性別がわからない」と感じるのは異常ではなく、性のあり方は人によってさまざまです
- 「わからない・迷っている」状態はクエスチョニングと呼ばれ、ちゃんとした一つの在り方です
- 性別や気持ちは時間をかけてわかっていくもので、今すぐ決めたり、ラベルを当てはめたりしなくていいです
- 制服やトイレなどで困ったら、信頼できる人に話す・自分で選べるところから整える、など小さな工夫から始められます
- 一人で抱えこまず、スクールカウンセラーやユースクリニック Produced byペアライフ(1回100円・20分・ニックネーム可)で気持ちを話せます
ユースクリニック公式インスタグラムInstagramでも発信しています
ペアライフクリニックの実績
性感染症学会・感染症学会 所属医師 15名
性の健康カウンセラー 3名
思春期保健相談士 1名
LGBT基礎理解検定初級 1名
ペアライフクリニックがこの記事の監修を行っています。
本記事は2026年6月時点の情報に基づき作成しています。内容が変わる可能性があるため、最新情報は各自治体・公的機関の情報や、専門の窓口・医療機関でご確認ください。性別や自分のことで一人で抱えこんでつらいときは、学校の相談窓口や公的な相談窓口にご相談ください。