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身体の悩み

思春期のホルモンと声変わり|始まる時期と続く期間・相談の目安を解説

声変わり

最終更新日: 2026年9月20日

「クラスの男子はほとんど声が低くなったのに、自分の声はまだ高いまま。」

「話している途中で声が裏返って、みんなに笑われた。」

「合唱の練習で、去年まで出ていた高い音が急に出なくなった。」

周りの声が次々に低くなっていくと、自分の体が遅れているように感じるかもしれません。声変わりの時期には個人差があり、中学生でまだ始まっていない人もいます。男の子の声変わりは12歳代に始まるという報告があります(宮本真・齋藤康一郎「小児と成人の声帯長から推定した変声開始年齢」)。ただ、始まる年齢も、落ち着くまでの長さも人それぞれです。

声変わりでのどの中に起きること、始まる時期と続く期間、声がかすれたり裏返ったりするときの過ごし方、合唱やカラオケでの困りごと、女子の声変わり、相談先の目安を、順番に解説していきます。声のことで気になる状態が続くとき、迷ったら医療機関を受診してください。

声変わりで、のどの中に起きていること

声変わりは第二次性徴の一つです。声を出す器官そのものが大きくなることで起こります(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。

のどの前側にある軟骨が張り出す

声を出す器官は喉頭と呼ばれ、首の前側にあります。喉頭の前側にあるのが甲状軟骨です。男の子の声変わりの時期には、その上の前の端が前へ張り出します。喉頭全体が前後に大きくなります(澤島政行「声変り」)。

声帯が長く厚くなり、声が低くなる

喉頭の中には、声を出すときに震える声帯があります。男性ホルモンの働きで甲状軟骨が発達し、声帯の長さや厚さ、重さが増していきます(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。その結果、話す声の高さは男性でおよそ1オクターブ、女性で2全音(全音2つ分)程度下がるとされています。

声の高さを調整する筋肉が追いつかない時期

声帯の膜の部分が、短い期間で急に長くなります。この変化に、喉頭の中の筋肉の働きが一時的に追いつかなくなるのです(澤島政行「声変り」)。そのため、声の高さや、地声と裏声の切り替えを思うように調整しにくくなります。話している途中で声がひっくり返る、かすれるといった変化が起きることもあります。

中学生の声変わりが始まる時期と個人差

声変わりが始まる年齢には幅があり、同じ学年の中でも時期がずれます。

思春期の変化には起きる順番がある

思春期の変化は、女の子では10歳頃、男の子では12歳頃から出てくることが多いです(日本小児内分泌学会「思春期早発症」)。男の子では精巣が大きくなるところから思春期が始まり、そのあと陰毛が生え、続いてひげが出たり声変わりが起こったりするという順番で進みます(同)。この順番で見ると、声変わりは後ろのほうに来る変化にあたります。

12歳代を中心に、始まる時期は人それぞれ

男の子の声変わりが始まるのは12歳代とされ、声帯の長さから推定した変声の開始年齢は、男子で12.83歳、女子で10.33歳でした(宮本真・齋藤康一郎「小児と成人の声帯長から推定した変声開始年齢」)。この数値は、いまの日本人の変声期の年齢におおむね当てはまると考えられています(同)。変化が起きる順番そのものは、おおむね決まっています。ただ、始まる時期と進む速さは人それぞれです。体の変化が16〜18歳頃まで続くこともあります(MSDマニュアル家庭版「思春期の少年」)。

同じ教室の中でも、声の低さはばらばらです。始まる年齢にも、変化が進む速さにも一人ひとり差があるためです(MSDマニュアル家庭版「思春期の少年」)。友だちより声変わりが遅いと感じても、その差が個人差の範囲に収まっていることは珍しくありません。

周りと比べて焦りを感じたとき

周りの声が低くなっていく中で自分の声が変わらないと、置いていかれたように感じることがあります。声変わりは思春期の変化の後半に来ます。そのため、陰毛が生えてきたなど、声より先に来る変化がすでに始まっていることもあります。声の変化を友だちと比べても、自分の体の進み具合はつかみにくいです。ほかの変化もあわせて見ておくと手がかりになります。ほかの体の変化も遅いと感じて気になるときは、小児科で相談する方法があります。

声変わりが続く期間と3つの段階

男の子の声変わりは一晩で終わる変化ではありません。始まり、山の時期、終わりの段階を通って進みます。始まりから終わりまでにかかる期間には個人差があり、3か月から1年といわれています(澤島政行「声変り」)。

始まりの時期は、声が出しにくくなる

最初の段階では、なんとなく声が出しにくい、高い声が出ないといった変化が出てきます。声がかすれる、のどがむずがゆいといった変化もあります(澤島政行「声変り」)。

間の時期は、声が裏返りやすい

声変わりのいちばん大きな山にあたる時期には、出せる声の高さの幅が狭くなり、声が裏返ったり、高さを調整しにくくなったり、声がかすれたりします(澤島政行「声変り」)。男子ではこの山の時期が、平均すると13歳頃に来る傾向があります。

終わりの時期は、男子の話す声が1オクターブ低くなる

終わりに近づくと、出せる声の範囲が下へ1オクターブほど広がり、話す声の高さもおよそ1オクターブ下がります(澤島政行「声変り」)。地声と裏声の違いがはっきりしてくるのもこの時期です(同)。多くの場合、長くても1年以内に声変わりが終わり、声は安定していきます(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。声変わりが始まって1年以上たっても高い声のままだと感じるときは、耳鼻咽喉科で相談する方法があります。かすれが長く続くときも同じです。

男子の声変わりの段階 声に出やすい変化
始まり 声が出しにくい、高い声が出ない、かすれる、のどがむずがゆい
山の時期 出せる声の幅が狭くなる、声が裏返る、高さを調整しにくい、かすれる
終わり 声の範囲が下へ広がる、話す声が低くなる、地声と裏声の差がはっきりする

声変わり中に声がかすれる・裏返るとき

声変わりの途中で声が思うように出ないと、学校や家での会話で気まずい思いをすることがあります。

声変わり中に起きやすい声の変化

声変わりの時期には、次のような変化が見られることがあります(澤島政行「声変り」、石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。

声変わり中に見られやすい声の変化

  • 声がかすれる、がらがらした声やかすかすした声になる
  • 話している途中で声が裏返る
  • 高い声が出にくくなる
  • 声の高さが安定しない

どれも、声帯が大きくなる途中で起きやすい変化です。

無理に声を張らず、声の安静を保つ

声変わりの時期の男子には、無理な発声をさせず、声の安静を保つことが原則です(澤島政行「声変り」)。あわせて、新しい低い地声を使いならしていくことも、同じ原則に含まれます。大声を出し続けた日や、長い時間しゃべり続けた日は、話す量を減らす方法があります。

かすれや声の出しにくさは、声変わりによる場合も、ほかの原因による場合もあります。聞こえ方では区別がつきにくいです。かすれが長く続く、のどに痛みがあるといったときは、自己判断せず医師の個別評価を受けてください。

声が裏返ってからかわれたとき

話している途中で声が裏返り、周りに笑われて話すのが嫌になることがあります。学校で声を大切に扱ううえで、声変わりは大事な項目の一つに入ります。クラス全体に声変わりのことを説明しておく対応もすすめられてきました(澤島政行「声変り」)。からかわれてつらいときは、担任や保健室の先生に今の状況を話しておく方法があります。

合唱やカラオケで声変わり中に困ること

歌う場面では、出せる音の高さの変化がはっきり表に出ます。

前に出ていた高い音が出なくなる

声変わりの山の時期には、出せる声の高さの幅が狭くなります(澤島政行「声変り」)。そのため、去年まで歌えていたパートの高い音が届かなくなったり、歌っている途中で声がひっくり返ったりすることがあります。終わりの時期には声の範囲が下のほうへ広がり、低い音が出しやすくなっていきます。

出ない音を無理に出そうとしない

歌う場面でも、声を無理に出さないことは話すときと変わりません(澤島政行「声変り」)。出ない高さの音を力ずくで出そうとせず、カラオケで長く歌い続けた日や、合唱の練習で声を張り続けた日は、しばらく声を出す量を減らす方法があります。

音楽の先生に今の声の状態を伝える

合唱で割り当てられたパートの音が出にくくなったときは、音楽の先生に声変わりの途中であることを伝えて、歌うパートについて相談する方法があります。声が出ないことを一人で隠しながら練習を続けるより、先に伝えておいたほうが、無理に声を張る場面を減らせます。

女子にも声変わりはある

声変わりは男の子の話と思われがちですが、女の子にも起こります。

女子の声変わりは男子より早い時期に起こる

声変わりは男女どちらにも見られる第二次性徴です。女の子では男の子より早い時期に起こると考えられています(宮本真・齋藤康一郎「小児と成人の声帯長から推定した変声開始年齢」)。女子では初経(初めての生理)の少し前から始まる傾向があるといわれています(澤島政行「声変り」)。初めての生理の準備については、初めての生理(初潮)で慌てない5つの準備と対処法にまとめています。

女子の声変わりは目立ちにくい

女の子の声変わりは、男の子ほど目立ちません。女性でも話す声の高さが2全音(全音2つ分)程度下がるという記述があります(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。一方で、話す声の高さは変わらず、出せる声の範囲が上下に少し広がるという記述(澤島政行「声変り」)もあり、報告の間で内容が食い違っています。変わり方として表に出るのは声の質で、硬い感じの声から大人の女性の声へと変わっていきます(同)。周りに気づかれにくい変化です。声が出しにくい、かすれるといった状態が続いて気になるときは、耳鼻咽喉科で相談する方法があります。

声変わりしない・高い声が続くときの相談先

声変わりがなかなか始まらない、始まったのに高い声のまま落ち着かないといった状態が気になるときは、相談先がいくつかあります。

ほかの体の変化もゆっくりだと感じるとき

日本小児内分泌学会は、男の子で14歳になっても精巣が大きくならない場合や、16歳になっても声変わりしない場合に、小児内分泌専門医への受診をすすめています(日本小児内分泌学会「性分化疾患」)。思春期の変化が出てこない、またはゆっくり進むことをきっかけに見つかる病気もあるため、声のほかに精巣や陰毛の変化も遅いと感じるときは、小児科に相談する方法があります。体の発育の目安はちんこ(陰茎)が小さいと感じたら|10代の発育の目安と相談先や、何も考えていないのに勃起する?|高校生によく起きる理由を解説でも扱っています。

ほかの変化は進んだのに高い声が続くとき

声変わりの時期を過ぎても、高い声が続く状態は変声障害と呼ばれます。話す声の高さが十分に下がらない状態です(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。精巣や陰毛などほかの変化は進んでいて、声の高さが変わらないことが気になるときは、耳鼻咽喉科が相談先になります。どの状態にあたるかは診察を受けて分かります。最終的な判断は医師が個別の状況に応じて行います。

相談先を選ぶときの目安

気になっている変化によって、相談先の選び方が変わります。以下の選択肢があります。

気になることと相談先の例

  • 声がかすれる、声が出しにくい状態が長く続くときは耳鼻咽喉科
  • 声変わりの時期を過ぎても高い声が続くときは耳鼻咽喉科
  • 声変わりがなかなか始まらず、精巣や陰毛の変化も遅いと感じるときは小児科
  • 何科に行くか迷う、まず誰かに話したいときは保健室の先生やユースクリニック Produced byペアライフ

症状・時期・既往歴により対応が異なるため医師に相談してください。迷ったら医療機関を受診してください。声が低くなっていくこと自体につらさを感じるときの参考に、自分の性別がわからないのは異常じゃない|迷っているあなたへもあります。

声変わりしない中学生のよくある質問

Q. 「変声期」と「声変わり」は違うものですか?

「変声」と「声変わり」は同じ変化を指す言葉です。医学の論文でも「変声(声変わり)」と並べて書かれています(石毛美代子ほか「難治性の変声障害に対する音声治療」)。「変声期」は、その変化が起きている時期を指す言い方です。

Q. 声変わりが終わったら、声はすぐに落ち着きますか?

声の高さそのものは、3か月から1年ほどで落ち着くといわれています(澤島政行「声変り」)。一方で、声変わりの後期に達しても、声を出す器官である喉頭の働きが安定するまでには数年かかります(同)。声が出しにくい状態が続いて気になるときは、耳鼻咽喉科で相談する方法があります。

Q. 声変わりと背の伸びは関係がありますか?

男子では、声変わりの始まりの時期が背の急に伸びる時期と、終わりの時期が体重の増える時期と重なりやすいといわれています(澤島政行「声変り」)。

Q. 小学生のうちに声変わりが始まったら早すぎますか?

男の子で11歳より前に腋毛やひげ、声変わりが出てきた場合は、思春期早発症の主な症候の一つにあたります(小児慢性特定疾病情報センター「ゴナドトロピン依存性思春期早発症 診断の手引き」)。思春期早発症とは、思春期の変化が一般的な時期より2〜3年以上早く出てくる状態です。病院での相談がすすめられています(日本小児内分泌学会「思春期早発症」)。周りと比べてかなり早いと感じるときや、11歳より前に始まったときは、小児科で相談してください。

声変わりしない中学生のあなたへ

声変わりは、喉頭と声帯が大きくなることで起こる思春期の変化です。男の子の声変わりは12歳代に始まることが多く、始まる時期は一人ひとり違います。始まってから声の高さが落ち着くまでの期間も、人それぞれです。3か月から1年といわれています。

迷ったら医療機関を受診してください。取れる行動は複数あります。選ぶのはあなた自身です。声がかすれる状態や高い声が続くなら、相談先は耳鼻咽喉科です。声変わりがなかなか始まらず、ほかの体の変化も遅いと感じるなら、小児科が相談先になります。

誰にも言えないまま抱えているなら、ユースクリニック Produced byペアライフがあります。声や体の変化で感じている不安や戸惑いを聞くカウンセリングの窓口です。必要なときは医療機関や専門の相談先につなぎます。

予約はニックネームで取れます。1回20分のカウンセリングで100円、保険証は要りません。耳鼻咽喉科や小児科での診察や検査にかかる費用は、医療機関ごとに異なります。対象は10代から20歳までです。

本人の同意なく、親や学校へ連絡することは原則ありません。一人で抱え込まず相談してほしいと思います。

100円

1回のカウンセリング料金(20分)

ニックネーム可

保険証なしで匿名で相談できる

この記事のポイント

  • 声変わりは喉頭と声帯が大きくなることで起こり、男子では話す声がおよそ1オクターブ低くなる
  • 男子の声変わりが始まるのは12歳代とされ、始まる時期には個人差がある
  • 男子では始まり・山の時期・終わりの段階を通り、落ち着くまでの期間は3か月から1年といわれている
  • 声がかすれる・裏返る時期は、無理な発声をせず声の安静を保つ
  • 声変わりがなかなか始まらない、高い声が続くときは小児科や耳鼻咽喉科に相談する

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ペアライフクリニックの実績

性感染症学会・感染症学会 所属医師 15名

性の健康カウンセラー 3名

思春期保健相談士 1名

LGBT基礎理解検定初級 1名

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