アセクシュアルとは|他人に惹かれない?高校生のあなたへ
最終更新日: 2026年7月15日
「みんなが恋愛や性の話で盛り上がっているのに、自分はそうでもない。」
「もしかして、自分はどこかおかしいのかな。」
その感じ方は、おかしいことでも、直さなきゃいけないことでもありません。他の人に性的に惹かれない、その気持ちにも、ちゃんと名前があります。
この記事では、アセクシュアルという言葉の意味、性自認や恋愛の気持ちとの関係、デミやグレーといった幅のあること、そして誰かに話したくなったときの相談先まで、順番に解説していきます。
目次
アセクシュアルとは?高校生にもわかる意味
アセクシュアル(無性愛、Aセクシュアルとも呼ばれます)とは、他の人に性的に惹かれることが、ほとんど、またはまったくない性的指向のことです。「エイセクシュアル」と読むこともあります。
性的指向というのは、自分がどんな相手に性的に惹かれるか、あるいは惹かれないかの傾向のことです。異性に惹かれる人、同性に惹かれる人、どちらにも惹かれる人がいるように、「特定の誰かに性的に惹かれない」という在り方も、そのなかのひとつです。
だから、アセクシュアルは特別に変わったことではありません。人の性のかたちが人それぞれであるなかの、自然な一部です。「自分だけがおかしいのかも」と感じていたなら、その心配はいりません。同じように感じている人は、あなたのほかにもいます。
アセクシュアルと性的指向・性自認の違い|高校生向けの整理
「性のこと」とひとことで言っても、実はいくつかの別々の面があります。
性のあり方を考えるときの3つの面
- 性自認……自分の性別を、自分でどう感じているか
- 性的指向……どんな相手に性的に惹かれるか、惹かれないか
- 恋愛的指向……どんな相手に恋愛の気持ちを抱くか、抱かないか
アセクシュアルは、このうち「性的指向」の話です。自分の性別をどう感じるか(性自認)とは別のことなので、性別を女性と感じる人でも、男性と感じる人でも、どちらとも違うと感じる人でも、アセクシュアルであることがあります。
「好き」と「性的に惹かれる」は分けて考えられる
もうひとつ大事なのが、恋愛の気持ちと、性的に惹かれることは、必ずしもセットではない、ということです。
「人を好きになるけれど、性的なことは求めない」という人もいます(恋愛の気持ちはあるアセクシュアル)。逆に「恋愛の気持ちもあまりわかない」という人もいて、こちらはアロマンティックと呼ばれます。日本では、性的には惹かれないけれど恋愛はするという意味で、ノンセクシュアルという言葉が使われることもあります。
だから、アセクシュアルだからといって「誰も好きにならない」とは限りません。恋をするアセクシュアルの人もいます。
アセクシュアルにも幅がある|デミ・グレーなどのグラデーション
アセクシュアルは、「ゼロか百か」ではっきり分かれるものではありません。あいだにはグラデーションがあって、いくつかの言葉があります。
デミセクシュアル
強い信頼や深い絆を築いた相手にだけ、ときどき性的に惹かれることがある、という在り方です。出会ってすぐに惹かれることは少なく、時間をかけて関係を育てたうえで、まれに気持ちが動くことがあります。
グレーセクシュアル
アセクシュアルと、そうでない人の中間あたりにいる感じ方です。性的に惹かれることがまったくないわけではないけれど、その回数がとても少なかったり、特定の条件のときだけだったりします。
大切なのは、ぴったりの言葉を今すぐ見つけることではありません。言葉は、自分の気持ちを整理するための道具です。
アセクシュアルかもと感じる高校生に、よくある気持ち
高校生のころは、まわりで恋の話や性の話題がふえて、「自分だけ温度感が違う」と感じやすい時期です。
アセクシュアルかもと感じる人が抱きやすい気持ち
- 恋バナに合わせて話すのがしんどい・作り笑いをしてしまう
- 「好きな人いないの?」と聞かれると、うまく答えられない
- まわりに合わせて、無理に恋愛や性に興味があるふりをしてしまう
- 自分は冷たいのかな、どこか欠けているのかなと不安になる
もし当てはまっても、あなたが冷たいわけでも、何かが欠けているわけでもありません。まわりと感じ方が違うだけで、そこに優劣はありません。
アセクシュアルは病気ではない|高校生が治す必要のないこと
アセクシュアルは、病気でも障害でもありません。だから、治すものでもありません。国も、性のあり方は人それぞれで、性的指向によって差別されてはならないという考え方を示しています(法務省「性的マイノリティに関する偏見や差別をなくしましょう」)。
さらに学校でも、多様な性のあり方を大切にしようという取り組みが進んでいます(文部科学省「性的マイノリティに関する施策」)。あなたの感じ方は、そのまま尊重されていいものです。
ただし、以前と感じ方が急に大きく変わって強くつらいときや、気分の落ちこみが2週間以上続くようなときは、体やこころの状態が関わっていることもあります。そんなときは我慢せず、学校の養護教諭やスクールカウンセラー、医療機関に話してみてください。
いまアセクシュアルと決めつけなくて大丈夫|高校生のあなたへ
「自分はアセクシュアルだ」と決めることも、「まだわからない」と保留することも、どちらもあなたの自由です。
思春期は、気持ちがゆれたり、変わったりする時期でもあります。いまの感じ方が、これから変わることもあれば、変わらないこともあります。
あなたの性のあり方を決めていいのは、あなただけです。まわりの「普通はこう」という声よりも、あなた自身の心地よさを大切にしてください。
アセクシュアルのことを高校生が相談できる場所
「この気持ちを、誰かに話して整理したい」と思ったら、話せる場所があります。学校の養護教諭(保健室の先生)やスクールカウンセラーは、性のことも相談できる相手です。性的マイノリティの若者を支える相談窓口もあります。
「いきなり人に会って話すのは不安」「まず匿名で気持ちを整理したい」というときは、ユースクリニック Produced byペアライフのカウンセリングを使うこともできます。10代〜20歳が、1回100円・20分で、性やジェンダーの悩みを話せます。ニックネームで予約できて、保険証もいりません。あなたの同意なく、親や学校に連絡することもありません。
ユースクリニックは、性やジェンダーの悩みも聞くカウンセリングの窓口です。話を整理したり、必要なときは専門の相談先につないだりします。答えを出させる場所ではなく、あなたの気持ちに寄りそう場所です。話したくなったときに頼ってください。
100円
1回のカウンセリング料金(20分)
ニックネーム可
保険証なしで匿名で相談できる
アセクシュアルについて高校生からよくある質問
Q. アセクシュアルは、そのうち治りますか?
アセクシュアルは病気でも障害でもないので、「治す」ものではありません。他の人に性的に惹かれないというのは、性のあり方のひとつです。まわりに合わせて無理に変えようとする必要はありません。もし今の状態がとてもつらい、または以前と急に変わったと感じるなら、その苦しさについては相談先や医療機関に話してみて大丈夫です。
Q. アセクシュアルだと、恋人はいらないということですか?
そうとは限りません。性的に惹かれることと、恋愛の気持ちは別のものだからです。人を好きになるアセクシュアルの人もいれば、恋愛の気持ちもあまりわかない人もいます。恋人がほしいかどうか、どんな関係を築きたいかは、人それぞれです。あなたが望むかたちを、あなたが選んで大丈夫です。
Q. 「まだ経験がないだけ」と言われて、もやもやします。
性的に惹かれるかどうかは、経験の有無で決まるものではありません。「経験すれば変わるよ」と、まわりが決めることではないですよね。ちなみに、学生のうちに性の経験がないことは、まったくめずらしくありません。そのあたりは学生で性経験がないのは普通かをまとめた記事もあわせて読んでみてください。あなたのペースで大丈夫です。
Q. 高校生のうちに、アセクシュアルだと決めていいですか?
決めるのは、いつでもいいことです。今日の自分にしっくりくる言葉があれば選べばいいし、なければ保留のままでかまいません。気持ちがこの先変わっても、それはおかしなことではありません。まわりに証明する必要はないので、あなたのペースでさがしていって大丈夫です。
Q. 親や友だちに、言ったほうがいいですか?
言う・言わない・いつ言うかは、すべてあなたが決めていいことです。話すことで楽になることもあれば、まだ話したくないと感じることもあります。どちらも自然です。もし話すなら、まず安心して聞いてくれそうな相手から少しずつ、という方法もあります。安全が心配なときは無理をせず、信頼できる大人や相談窓口に、状況を整理するところから始めてください。
Q. まわりに合わせて恋愛のふりをするのが、つらいです。
無理に合わせて自分の気持ちにふたをすると、少しずつしんどくなってしまうことがあります。ふりをやめられない自分を責めなくて大丈夫です。まずは、そのつらさを誰かに話してみてください。学校の養護教諭やスクールカウンセラー、匿名で話せるカウンセリングの窓口でもかまいません。一人で抱えこまないでください。
Q. 自分がアセクシュアルか、はっきりわかりません。
わからないままでも、まったく問題ありません。むしろ、気持ちを言葉にしていくなかで、少しずつ見えてくることもあります。無理に「これだ」と決めなくていいですし、いくつかの言葉のあいだで揺れていても大丈夫です。自分の性別の感じ方そのものが揺れていると感じるなら、自分の性別がわからないと感じるときの記事もヒントになります。
アセクシュアルとは?高校生のあなたのペースで大丈夫
アセクシュアルとは、他の人に性的に惹かれることが、ほとんど、またはまったくない性的指向のことでした。それは病気でも、直すものでもなく、人それぞれの性のかたちのひとつです。性自認や恋愛の気持ちとは別の面で、デミやグレーといった幅もあります。
いま、自分をどれかに当てはめなくても大丈夫です。もし誰かに話して整理したくなったら、学校の相談先や、ユースクリニック Produced byペアライフのカウンセリング(1回100円・20分・ニックネーム可)を頼ることもできます。一人で抱えこまず、あなたのペースで進んでいってください。
他の人と感じ方が違っても、あなたはおかしくありません。自分の性のあり方は、あなたのペースで知っていって大丈夫です。
この記事のポイント
- アセクシュアルとは、他の人に性的に惹かれることがほとんど・まったくない性的指向のひとつです
- 性自認(自分の性別の感じ方)や、恋愛の気持ち(恋愛的指向)とは別の面で、分けて考えられます
- デミセクシュアルやグレーセクシュアルなど、あいだにはグラデーションがあります
- 病気でも治すものでもなく、いま無理に決めつけたり急いで結論を出したりしなくて大丈夫です
- 話して整理したいときは、学校の相談先やユースクリニック Produced byペアライフを頼れます
ユースクリニック公式インスタグラムInstagramでも発信しています
ペアライフクリニックの実績
性感染症学会・感染症学会 所属医師 15名
性の健康カウンセラー 3名
思春期保健相談士 1名
LGBT基礎理解検定初級 1名
ペアライフクリニックがこの記事の監修を行っています。
本記事は2026年7月時点の情報に基づき作成しています。内容が変わる可能性があるため、最新情報は各公的機関の情報や相談窓口でご確認ください。性のことで気持ちがつらい・不安が続く・安全が心配なときは、一人で抱えこまず、信頼できる大人や相談窓口にご相談ください。