部活で生理が止まるのはなぜ?運動性無月経と適切な部活の続け方
最終更新日: 2026年7月15日
「最近、生理が来ていない気がする」
「部活はがんばりたいけど、このままで大丈夫?」
「先生にも親にも、なんて言えばいいんだろう」
運動量が多い時期に生理が乱れたり止まったりするのは、体のエネルギーが足りていないことが関係しています。気づけたあなたは、もう一歩前に進んでいます。
ここでは、なぜ部活で生理が止まるのか、運動性無月経とはどんな状態か、試合やプール中の対処、顧問や養護教諭への伝え方、そして部活を続けながら体を守る方法を、いっしょに整理していきます。
全部を一度に分からなくて大丈夫です。「生理が来なくてラクでいい」と感じる人もいるかもしれませんが、体に起きている大切な変化なので、知っておいてほしいことがあります。
目次
部活と生理の関係|運動が月経に与えること
運動そのものは体にいいことです。ただ、激しい練習や試合が続く時期に食べる量が足りないと、運動で使うエネルギーが食事でとる分を上回り、エネルギーが不足します。この状態が続くと、脳の視床下部から出る女性ホルモンの分泌指令が抑えられ、生理が遅れたり止まったりすることがあります(日本スポーツ振興センター)。
大事なのは、これはあなたの体が弱いからでも、練習をがんばったことが悪いからでもないということです。エネルギーが足りていないことを示す変化であって、あなたの努力を責めるものではありません。「気づけた」ことが、体を守る第一歩になります。
運動性無月経とは|部活を続ける人に知ってほしいこと
運動量が多い人が、エネルギー不足によって生理が止まる状態を運動性無月経といいます。一時的なこともありますが、止まったまま長く続くときは、知っておいてほしいことがあります。
生理が止まっている間は、骨を強く保つための女性ホルモンも減っています。それが続くと、骨がもろくなって疲労骨折を起こしやすくなったり、将来の体に影響したりすることがあります。実際、中学・高校の運動部の女子のうち、こうしたリスクを知らない人が約7割という調査もあります(スポーツ庁)。
こんなときはエネルギー不足が起きているかもしれません
- 練習量が増えてから、生理が遅れる・止まっている
- 記録を伸ばしたくて、食事の量を減らしている
- 疲れが抜けにくい・ケガをしやすくなった気がする
- 体重や体脂肪を、かなり気にしている
「痩せている方が速い・きれい」と感じて食事を減らしている人もいるかもしれません。でも、エネルギーが足りない状態は生理を止めるだけでなく、骨や筋肉も作られにくくなり、かえってケガやパフォーマンスの低下につながることがあります。極端な減量は、体にとっても競技にとってもマイナスになりやすいのです。思春期にやせが進むと、女性ホルモンが減って生理が止まったり、骨が弱くなったりすることも知られています(ヘルスケアラボ)。
RED-Sと女性アスリートの三主徴|部活で体に起こること
スポーツでエネルギーが足りない状態が続くことを、国際的にはRED-S(レッズ/スポーツにおける相対的エネルギー不足)と呼びます。エネルギー不足・生理が止まること・骨が弱くなることの3つが重なりやすく、これは「女性アスリートの三主徴」として知られています(日本スポーツ振興センター)。
部活を続けるあなたに知ってほしいのは、これは健康だけの問題ではなく、持久力・集中力・回復力が落ちて、記録やパフォーマンスそのものが下がりやすくなるということです。「減量で良くなる」つもりが、長い目で見ると逆効果になりかねません。三主徴のくわしい仕組みや、運動以外で生理が乱れる原因については、生理の乱れと受診の目安をまとめた記事もあわせて読んでみてください。
競技や運動量による生理への影響の違い
生理への影響は、競技や運動量によっても変わります。長距離走などの持久系や、体重が軽い方が有利とされやすい新体操などの審美系の競技では、エネルギー不足が起こりやすいと言われます。大学の女子長距離選手を対象にした研究では、体脂肪率が低い人ほど生理が乱れやすく、体脂肪率が一定より低い選手ではほとんどに月経の異常が見られたという報告もあります(学校保健研究)。
エネルギー不足が起こりやすい場面
- 長距離走など、持久力を使う競技
- 新体操・体操など、体重が軽い方が有利とされやすい競技
- 階級制で、体重を落として試合に出る競技
- 練習量が一気に増えた時期や、大会前
これは「その競技が悪い」という話ではありません。自分の競技や練習量では生理が乱れやすいかもしれない、と知っておくだけで、早めに体を気づかえます。
生理周期とパフォーマンスの付き合い方
生理の前や最中に、だるさや気分の浮き沈み、お腹や腰の痛みでコンディションが変わる人もいます。これも自然なことで、「気合が足りない」わけではありません。自分の周期と体調をメモしておくと、試合や大事な練習に向けて調整しやすくなります。眠気やだるさが特に気になるときは、生理で眠いときの対処をまとめた記事も参考になります。
部活を続けながら生理と付き合うコツ|試合・プール
部活を続けながら、生理ともうまく付き合うための工夫があります。
試合・遠征・プールのときの工夫
- 試合や遠征と重なりそうなときは、生理用品を多めに・予備を分けて持っておく
- 水泳やプールの授業では、自分に合う生理用品を選ぶ(タンポンなどが合わない・こわいときは、無理せず先生に相談して見学などの方法もあります)
- 経血が多い・もれが心配なときは、こまめに替えられるタイミングを確認しておく
生理用品が合わないときは、別の種類を試してかまいません。「これしかない」と思いつめなくて大丈夫です。生理用品の入手や、親に言いにくいときの伝え方は、生理を親に言えないときの記事でくわしく扱っています。
顧問や養護教諭に相談する|部活で生理を言いにくいとき
「顧問の先生が男性で言いにくい」「練習を休みたいと思われたくない」。そう感じて言い出せないのは、とても自然なことです。でも、体のことを伝えるのは「弱さ」ではなく、部活を長く続けるために必要な準備です。
直接言いにくいときの伝え方
- 養護教諭(保健室の先生)に先に相談する(あなたの味方になってくれます)
- メモや手紙、保護者を通して顧問に伝える
- 「練習は続けたいけれど、体のことで相談したい」と前置きする
養護教諭や学校の大人は、あなたが部活を続けられるように一緒に考えてくれる存在です。話す相手は、一人に決めなくて大丈夫です。
部活を続けながら月経を安定させるためにできること
生理を取り戻すために大事なのは、使うエネルギーに見合うだけ、しっかり食べることです。減量を続けてきた人にはこわく感じるかもしれませんが、極端な食事制限をやめ、練習量に合った栄養をとることが、体と記録の両方を守る土台になります。体重が減って止まっている場合は、標準的な体重の9割ほどを目安に戻していくことがすすめられます(日本産婦人科医会)。栄養がじゅうぶんに足りてくると、止まっていた生理も戻ってきやすいとされています。
そのうえで、生理が止まったままのときは、部活を続けながら体を守るためにも、早めに婦人科で相談してください。「まだ大丈夫」と放っておくより、早めに相談することがすすめられます。止まったままの期間が長くなるほど戻りにくくなり、骨の健康にも影響するためです。婦人科では、体の状態を確かめたうえで、栄養の見直しや必要な治療も含め、部活を続けながらできることを一緒に考えてくれます。生理がいつから来ていないか、運動以外に思い当たることがないかは、生理の乱れと受診の目安をまとめた記事も参考に整理しておくと、受診のときに伝えやすくなります。
放っておく期間が短いほど、栄養の見直しと医療機関への受診で生理が戻りやすくなります。一方、長く止まったままにすると、骨が弱くなったり、回復に時間がかかったりすることがあります。「気づいた今」が、相談するのにいちばんよいタイミングです。
「いきなり婦人科は不安」「まず誰かに話して気持ちを整理したい」というときは、ユースクリニック Produced byペアライフのカウンセリングを使うという選択肢もあります。10代〜20歳が、1回100円・20分で体や心のことを話せます。ニックネームでよくて、保険証もいりません。体の検査や治療が必要なときは、婦人科などの医療機関とあわせて利用してください。
部活と生理についてよくある質問
Q. 練習しすぎた私のせいですか?
いいえ、あなたのせいではありません。生理が止まるのは「がんばりが足りない」のではなく、エネルギーが足りていないことを示す体の変化です。気づいて調べているあなたは、すでに体を守る行動を始めています。自分を責めなくて大丈夫です。
Q. 生理が来なくてラクだし、放っておいていいですか?
ラクに感じても、放っておくのはおすすめできません。生理が止まっている間は骨が弱くなりやすく、疲労骨折や将来の体に影響することがあります。止まった期間が長くなるほど戻りにくくなるので、まず食事を見直し、止まったままなら早めに婦人科で相談してください。
Q. 試合の日に生理が重なりそうで不安です。
生理用品を多めに準備し、もれが心配なときはこまめに替えられるタイミングを確認しておくと安心です。タンポンなどが合わない・こわいときは無理に使わず、別の方法を選んでかまいません。コンディションがつらいときは、顧問や養護教諭に前もって伝えておくのも一つの手です。
Q. 顧問が男の先生で言い出せません。
直接が難しいときは、養護教諭(保健室の先生)に先に相談する、メモや手紙で伝える、保護者を通して伝える、といった方法があります。「練習は続けたいけれど体のことで相談したい」と前置きすると伝えやすくなります。一人で抱えこまなくて大丈夫です。
一人で抱えこまないで|部活と生理のことを話せる場所
部活で生理が止まったり乱れたりするのは、あなたが弱いからでも、練習をがんばったからでもありません。これは、エネルギーが足りていないことを示す体の変化です。
大切なのは、まずしっかり食べること、そして止まったままなら早めに婦人科で相談することの2つです。どちらも、部活を続けるための前向きな一歩です。気持ちを整理したいときは、ユースクリニック Produced byペアライフで話すこともできます(1回100円・20分・ニックネーム可)。一人で抱えこまず、体のことは早めに大人や医療機関を頼ってください。
この記事のポイント
- 部活で生理が止まる・乱れるのは、体のエネルギー不足が関わる変化で、あなたのせいでも甘えでもありません
- 放っておくと骨がもろくなり疲労骨折やパフォーマンス低下につながるため、「気づいた今」が大事です
- 痩せ・減量は生理を止めるだけでなく、ケガや記録の面でもマイナスになりやすいです
- まずは練習量に見合う栄養をとること、止まったままなら早めに婦人科で相談することが回復の近道です
- 顧問に言いにくいときは養護教諭・書面・保護者経由でも伝えられます。話したいときはユースクリニック Produced byペアライフでも相談できます
ユースクリニック公式インスタグラムInstagramでも発信しています
ペアライフクリニックの実績
性感染症学会・感染症学会 所属医師 15名
性の健康カウンセラー 3名
思春期保健相談士 1名
LGBT基礎理解検定初級 1名
ペアライフクリニックがこの記事の監修を行っています。
本記事は2026年6月時点の情報に基づき作成しています。内容が変わる可能性があるため、最新情報は各公的機関の情報や医療機関でご確認ください。生理が長く止まっている・体調がつらいときは、一人で抱えこまず婦人科などの医療機関にご相談ください。